スライムびより(ナスビもね!)

IT(笑)やら日々の生活の小ネタ。時に風物を取り上げることも。

【七十二候】霜降初候:霜始降(しもはじめてふる)

ああ、ついにこんな季節に。ナスライム(仮)です。

冬枯れにはまだ少し早いです。2020年11月撮影。

二十四節気でも「霜降」を迎えました。そろそろ霜が降りる時期、という意味合いで、本州中部であっても、2000m級の山からは初冠雪の便りも聞こえてくる頃ではあります。

とはいえ、真夏日の残り香がまだするような時期に霜?というのも少し違和感があります。早速ですが、各地の初霜の時期というのを、気象庁「過去の気象データ検索」のサイトで確認しました。

ナスビタウンは確かにそろそろ

最初に確認するのは、もちろんわれらがナスビタウン(長野県松本市)です。あらかじめお断りしておきますとこのデータ、記録があるのが官署の観測点のみっぽいです。

まあナスビタウンですのでw  Image from pixabay.com

ナスビタウンの初霜は10月23日、つまり霜降の時期にぴったり一致します。中央高地に位置してあの虫も棲めない魔境とはいえ、年平均気温が無茶苦茶低いわけでもないですし、少し遅れて平地にも霜がおりていくのかな、と考えました。

飛騨山脈を挟んで西側にある岐阜県高山市は、10月30日となります。1週間ちがいですし、まあ、そんなものなのでしょう。

北日本をチェックしてみる

本州の県庁所在地で初霜が一番はやいのは、岩手県盛岡市です。岩手というと偉大な文学者や歌人を生んだ土地柄ですが、最近は凄まじいまでの野球選手ラッシュ……というのはみなさんの共通認識かと思います。文武両道ですよね。

盛岡といえばわんこそば、じゃじゃ麺、そして盛岡冷麺!  Image from www.photo-ac.com

というわけで盛岡の初霜は10月26日、ナスビタウンに遅れること3日ですが、明らかに霜降の期間中にありますから、これもおkです。まあ、立冬を通り越して小雪までは感覚的にセーフにしちゃいますかね。あくまで平年値です。

北海道に行くとやはり早いんですよね。都市化による温暖化の影響はあるのかな?と思われる札幌は10月25日ですが、早いところをリストすると旭川が10月9日で帯広が10月11日と霜降を迎える前に初霜、という年が多そうです。

札幌の変貌にビビってます  Image from pixabay.com

 

シンプルに寒そうなイメージがある稚内北見枝幸、羽幌では初霜のデータがありませんでした。釧路で10月20日岩見沢で10月21日と「おお寒い」という感覚にはなるものの、後志地方の寿都では11月7日と、立冬近辺が初霜となります。

後志や檜山は、北海道内でも冬の寒さがゆるやかな地域とされています。おそらくですが、内陸で冷え込みがきついと霜がおりやすい、ということなのかなと思っております。

東日本ではどんな感じ?

というわけで、東日本から西日本にかけての各地の初霜を見ていきましょう。ナスビタウンの北方、長野市では11月1日とここでやっと「11月が平年」となります。その北、ナスビ王国から一番近い官署観測点である高田(上越市)では11月19日と、立冬を通り越して小雪に近い頃になります。

高田といえば夜桜お七と蓮の花  Image from www.photo-ac.com

なんというか、海岸に近くなると冷え込みがゆるくなる分初霜も遅くなるという仮説チックなものがここでも見えてきますね。ですので、北関東の雄とでもいうべき、内陸に位置する宇都宮は11月7日とちょっと早めになります。

いっぽうで、高田よりさらに北に位置する新潟市は11月27日です。いやあの小雪も次候に突入するくらいですよその時期、と思わず突っ込んでしまいそうになりました。

いわゆる「太平洋ベルト」は?

太平洋沿岸であれば、これらの都市よりはだいぶ温かいというイメージがあります。事実平均気温も高いんですが。まず、名古屋の初霜の平年って、11月30日なんです。

名古屋は大須、東仁王門通です  Image from pixabay.com

驚いたことに、名古屋よりは寒そうな新潟と3日しか違いません。新潟など本州日本海沿岸で初霜が遅いのは、日本海側の気候の特色である、冬期には曇りの日が多く放射冷却が発生しにくいことが関係しているのではないかな、そんなことを思いました。

というわけで、太平洋ベルト地帯、他の主要都市での初霜はかなり遅く、大阪で12月10日、福岡は12月13日といずれも大雪を過ぎてからとなりますさらに。東京に至ってはなんと、12月23日ということに。それってほぼ冬至じゃん!霜降から2ヶ月過ぎてますよぉ。というツッコミを入れたくなる結果になってしまいました。

山には降ってほしいんですが平地にはないほうが…

東京エリアでは、ホワイト・クリスマスとかまずありえないんだろうな、なんてことも感じます。いや、クリスマスにかぎらず白くなると困りますので、たぶんそれでいいんですね。

霜は登場しない中国

  というわけで、中国では霜降初候ではでは「豺乃祭獣」と書いて「さいすなわちけものをまつる」となります。霜は登場しないみたいです。

ケモノ?

意味としては山犬が捕らえた獣を並べて食べる、で「山犬」とは諸説あるものの、ざっくりオオカミのことを言うようです。オオカミだとすれば、日本では絶滅していますね。ともあれ、獣たちも冬支度を始める頃、ということなのでしょう。

いや、それにしても。霜降という節気と、実際の初霜ってあまり一致しないんだなぁ。そんなことを思ってしまいました。まあ、日本は東西南北に長い、ということもあるでしょうし、霜降の時期は「霜を思わせるくらいに寒さを感じる」くらいなのかな、なんてことも思います。

ぷりん、もとい、ナスビでおじゃる。

ナスライムでした。ちょっと遅くなりましたが、素敵な一週間になりますように。